小説『竜馬がゆく』のあらすじと感想 【説明不要、不朽の名作!】

日本を代表する小説家、司馬遼太郎氏。

彼が書いた小説ランキングで必ずと言っていいほど上位にランキングされる不朽の名作、『竜馬がゆく』が今回ご紹介する小説です。

本作を読んだ小説好きで「つまらない」という感想を述べた人間を、私は1人も知りません。

本作が世に出るまで、「無名」と言ってもよかった1人の青年、坂本竜馬。幕末維新の動乱を全力で駆け抜けた青年の物語のあらすじを、私の感想と共にほんのちょっとだけご紹介しましょう。

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この記事の本文は読書家ライター・楽観さんに書いて頂きました!

小説『竜馬がゆく』のあらすじ

竜馬がゆく(一) (文春文庫)

小説『竜馬がゆく』のあらすじ①:風雲児誕生

天保六年。のちに「幕末」と呼ばれる時代の少し前、土佐に1人の風雲児が生まれました。

千里を駆ける駿馬となる事を期待され、その風雲児には「竜馬」という名がつけられました。

「竜馬」という名前に恥じる事なく強くて立派に育つと思いきや、子供の頃の竜馬は12〜13歳頃まで寝小便の癖が直らず、近所の子らに「よばあたれ(寝小便たれの意味)」といじめられる始末。
おまけに、近所の寺子屋(今でいう学校)の師匠からも「(覚えが悪すぎて)手に負えない」と見捨てられ、退塾させられてしまいます。
のちの英雄・竜馬からは想像もつかない姿ですね。

そんな竜馬に転機が訪れます。

嘉永元年、竜馬は剣術を学ぶ為、小栗流・日根野道場に入塾します。
元々天賦の才があったのか、はたまた日根野道場の雰囲気が水にあったのか、竜馬はめきめきと頭角を現し、入塾から6年が経った嘉永六年に「目録(免許の一種)」を習得します。

目録を習得した竜馬は土佐藩に1年間の江戸自費遊学を願い出ます。

当時の土佐藩は厳しい身分制度を取っており、上士と呼ばれる上級武士と郷士と呼ばれる下級武士にきっちり分けられておりました。
同じ武士でも扱いが全く異なっており、上士が郷士を切り捨てても罪に問われない程でした。
江戸末期には全国でおよそ260もの藩があったと言われてますが、ここまで徹底した身分制度をしいている藩はあまり有りません。

竜馬の家は商家出身で裕福ではあったものの郷士の身分であり、武士として身を立てようとすれば剣の腕を磨くしかないというのが当時の常識でした。
竜馬もこの例に漏れず、剣の腕を更に磨こうとしたという訳ですね。

願いは無事に許可され、19歳の竜馬は晴れて江戸に向かう事になります。

今や19歳の立派な青年となった竜馬。

江戸に向かう、その堂々たる背中には、かつて「よばあたれ」と言われた頃の面影は全くありませんでした。

小説『竜馬がゆく』のあらすじ②:黒船、そして激動の時代へ

当時の江戸には「三大道場」と呼ばれる剣の名門がありました。

鏡新明智流・桃井春蔵が立てた士学館。
神道無念流・斎藤弥九郎を初代とする練兵館。
そして、北辰一刀流・千葉周作が立てた玄武館です。

「位の桃井、力の斎藤、技の千葉」と江戸中の人が噂する三大道場のうち、竜馬は北辰一刀流の千葉道場に入塾します。

竜馬が入塾したのは、玄武館・千葉周作の弟にあたる千葉定吉が道場主を勤める「桶町千葉」と呼ばれる道場でした。

桶町千葉は竜馬に取って、居心地の良い場所でした。

道場主・千葉定吉の長男で千葉重太郎。
既に老齢に達していた定吉に代わって剣術指南をする立場にいながら非常に気さくな性格で、初対面から竜馬を「竜さん」とまるで十年の知己であったかのように接してくれます。

その重太郎の妹・さな子。
女性でありながら北辰一刀流免許皆伝。
「千葉の鬼小町」と異名を取った美貌の女性剣士です。

余談ながらこの千葉さな子、後に九代目宇和島藩主となる伊達宗徳と立ち会って勝った事が記録として残っています。
その時に宗徳が「佐奈ハ、容色モ、両御殿中、第一ニテ(佐奈は2つの伊達屋敷に出入りする女性の中で一番美人である)」という感想も残されており、本物の「美しすぎる女剣士」であった事が窺い知れます。

千葉道場の暖かい人々に囲まれ、益々剣術にのめり込んでいく竜馬。

その竜馬に大事件が訪れます。
黒船来航です。

召集命令が下され、品川の土佐藩下屋敷守備に借り出される竜馬の前に、黒船が姿を現します。始めてみるその姿に圧倒される竜馬。竜馬だけではありません。日本中が圧倒され、上を下への大騒ぎです。

ついに、幕末という激動の海に船を漕ぎ出した竜馬。

維新回天という果てしない目標に向かって「竜馬がゆく」、幕末青春グラフィティの幕開けです!

『竜馬がゆく』はここがおすすめ!

  • その「渾身の生」が眩しい!維新動乱に散った男達!
  • 竜馬の一生を鮮やかに彩る!竜馬を取り巻く美女達!

その「渾身の生」が眩しい!維新動乱に散った男達!

維新動乱という激動の時代に、己が一命を賭けてまで「国を変えよう」とした男達。
その男達の「生き切る」姿がただもう眩しく、ドラマチック過ぎて涙を誘います。

竜馬の盟友にして土佐勤皇党の党首・武市半平太。
通常は一文字に切る腹を三文字に掻っ捌くという意地を見せつけて絶命します。

同じく土佐の盟友・吉村寅太郎。
維新回天の魁となるべく、吉野の戦場で壮絶に散っていきます。

勤皇党からの仲間である望月亀弥太。
溢れる情熱を抑えられず、竜馬を振り切って駆けつけた池田屋で若い命を散らします。

虐げられた「郷士」という身分に抗い、「いつかは良い世が来る」と信じ、その夢に自分を賭けた青年達の儚くも激しい青春の日々。必見です。

竜馬の一生を鮮やかに彩る!竜馬を取り巻く美女達!

竜馬は決してハンサムと言える顔立ちではありませんでしたが、その茫洋とした大器を感じさせる風貌のせいか、妙に女性にモテます。

竜馬の初恋の人で土佐藩家老の娘・お田鶴。
上士と郷士という身分の差を越えてしまった恋に悩みます。

「千葉の鬼小町」美貌の女性剣士・千葉さな子。
一途に竜馬を愛する姿に心打たれます。

竜馬の良き理解者であり庇護者でもあった伏見の旅籠寺田屋の女将・お登勢。
暖かく厳しく、竜馬を見守ります。

そのお登勢に引き取られ、養女となったおりょう。
竜馬曰く「おもしろき女子」で、竜馬の生涯の伴侶となります。

これら美しい女性陣のエピソードが、ときに殺伐となりがちなストーリーに可憐な華を添えてくれます。

おわりに:小説『竜馬がゆく』の感想

司馬遼太郎氏の作品の人気アンケートを取ると、『竜馬がゆく』は必ず上位ベスト3に入ります。
(ちなみに、大抵のアンケートでベスト3に入る他2作は以前にご紹介した『燃えよ剣』『坂の上の雲』ですね)

1962年に本作が発表されるまで、坂本竜馬という人物は無名と言ってもいい存在でした。
本作が発表されるや否や竜馬人気は一気に高まり、その後の「竜馬像」を決定づけるに至ります。

武田鉄也さん原作の漫画「おーい!竜馬」や映画「Ronin 坂本竜馬」。大河ドラマ「龍馬伝」。
数多くの作品で描かれる「坂本竜馬」像は、全てこの「竜馬がゆく」の竜馬像が元になっていると言っても過言では無いでしょう。

歴史にまで影響を及ぼした不朽の名作『竜馬がゆく』。文句なしに面白い小説です!

平和な世の中に生きる我々には想像もつかない程激しい日々を命懸けで過ごした青年達の物語。
貴方もこの正しい「幕末青春グラフィティ」に染まり、司馬遼太郎氏の世界観にどっぷり浸ってみては如何でしょう?

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