京極夏彦『魍魎の匣』のあらすじ&感想【匣の中身は何だろな…】

京極夏彦先生の長編推理小説「百鬼夜行シリーズ」の第二作目。それが『魍魎の匣』です。
第一作目のお話から一気にページ数が増し、一作目よりも主要人物の過去や関係性がより濃く描かれています。

かなり入り組んだお話です。

まず登場人物からして多い。
そして、事故、誘拐、殺人、詐欺。あらゆる事件が同時期にほぼ同時進行で起きます。

あちらこちらでキナ臭い事件が発覚し、それぞれの登場人物がそれぞれの立場でそれら事件に関わることとなり…。
最後は全て解決してくれるのだろうと想像しながら読んでいても、回収されるべき事柄が多くて不安になってきます。
でも、それこそが京極先生ワールドと言うか真骨頂と言うか。

この「百鬼夜行シリーズ」の代名詞とも言える”中禅寺 秋彦”の憑き物落とし。
最後、人の心を惑わし狂わせてしまう「憑き物」は祓い、落とすことが出来たのか。

冒頭でも述べました「百鬼夜行シリーズ」の中でも、特に人気の作品『魍魎の匣』のあらすじと感想を今回ご紹介したいと思います。

ブログ運営者より:
この記事の本文は読書家ライター・めいさんに書いて頂きました!

京極夏彦『魍魎の匣』のあらすじ

文庫版 魍魎の匣 (講談社文庫)

京極夏彦『魍魎の匣』のあらすじ①:美少女の事故

二人の美少女が人身事故に巻き込まれます。

家柄、頭脳、容姿。全てにおいて申し分なく、完璧なまでの美しさを持った少女”柚木 加菜子”。
そして、大人しく暗い性格で友人がいなかった”楠本 頼子”。
加菜子が頼子にある日唐突に声を掛けたことから二人は出会います。

互いに家庭環境が特殊で、孤独を感じていた二人はどんどん仲良くなり、夜中二人で家を抜け出し会いに行く程になりました。

ある日、家庭の問題で落ち込んでいた頼子を元気付けようと、加菜子は二人で最終電車に乗って湖を見に行こうと持ちかけます。
そして待ち合わせをするのですが、その日、事件は起こりました。

なんと加菜子が何者かにホームへ突き落とされ、電車に轢かれてしまうのです。
その後加菜子は病院へ運ばれるのですが、頼子は思いもかけない突然の事故にただただ混乱し、泣きじゃくり取り乱すことしか出来ないのでした。

その現場に偶然居合わせたのが刑事の”木場 修太郎”。彼もまた否応なく事件に巻き込まれていきます。

加菜子は一般病院では処置出来ないと判断されると、加菜子の姉”柚木 陽子”の要望でとある特殊な研究所へ運ばれることとなります。
加菜子はそこで何とか一命を取り留めることが出来たのでした。

京極夏彦『魍魎の匣』のあらすじ②:バラバラ殺人事件

時を同じくして、世間ではバラバラ殺人事件が人々を賑わせていました。

うだつの上がらない小説家”関口 巽”の元に、出版社の編集者”鳥口 守彦”からその事件についての記事の執筆の依頼が入ります。
気乗りしないも引き受ける形となった関口は、死体遺棄現場である相模湖へ鳥口と共に向かいます。
そこには中禅寺の妹で新聞記者でもある”中禅寺 敦子”も来ていました。

情報収集した後三人は家路につくのですが、途中道に迷い、ある巨大な建物に辿り着きます。
そこは偶然にも、加菜子が運び込まれた特殊な研究所なのでした。
なぜかそこには多くの警察官が集まっており、その中に木場の姿もあり…?

京極夏彦『魍魎の匣』のあらすじ③:加菜子誘拐、頼子失踪

その後、加菜子は面会が許可される程の回復を見せます。

木場と陽子、更に頼子も一緒に加菜子の病室へ向かい、加菜子はカーテンに覆われているベッドに寝た状態でしたが、意識はある様子で微笑みます。しかしまだ話したり動いたり出来る状態ではありませんでした。

そうして面会は短時間で終わり、一同はその場を離れるのですが、その時カーテンの奥から悲鳴が聞こえ、木場達がすぐにカーテンを開けると、今さっきまで寝ていた加菜子の姿がありません。
加菜子は頼子や陽子、更には刑事である木場が傍らにいながら、一瞬の間に姿を消したのでした…。

そうして一方、バラバラ事件の犯人が中禅寺によって”とある人物”と見当がつく中、頼子が失踪し、捜索願が出ていることが分かります。

その直後、バラバラ事件と思われる腕が新たに発見されるのでした…。

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京極夏彦『魍魎の匣』はここが面白い!!

京極夏彦『魍魎の匣』はここが面白い①:作中常に漂う不穏な空気

これは『魍魎の匣』に限ったことではないのですが、事件の最中、それ以外の場面でも常に薄暗い不穏な空気が流れている気がします。
これは第二次世界大戦後の日本が舞台のシリーズで、私は当時を知らないのですが、戦後の人々の拭えない不安感と言うか、まだまだ復興しきれていない淀んだ空気と言うか…。
不気味な事件も相まって、この雰囲気が私が京極夏彦先生の小説が好きな理由の一つなのかな、と思います。
この『魍魎の匣』は特にその雰囲気が強く感じられると思いますし、ここから後のシリーズへ続く土台にもなっています。

そして題名にもなっている「魍魎」と「匣」。
この「魍魎」という言葉にも「匣」という響きにも、読んでる途中、読後にすでに自分が取り憑かれているのが分かります。
「魍魎」というよく分からない曖昧な物の怪と、かなりはっきりした形として表される「匣」。「匣」は「箱」「筥」と作中表現を変え、場面を変え、何度も何度も出て来ます。入れ物です。
この二つがキーワードとなり、あらゆる物を閉じ込めることが出来る「入れ物」に心を囚われてしまった人々の末路が描かれています。

この小説から漏れ出ている不気味で不穏な雰囲気、是非味わって欲しいです。

京極夏彦『魍魎の匣』はここが面白い②:絡み入り組み、最後はどうなるのか。

読んでいる途中、私は相関図を書きたくなります(この百鬼夜行シリーズでは毎回ですが…)。
何が何だか、誰がどこで何と関わっていたのか分からなくなるからです(笑)

まずもって主要登場人物が多いのです。中禅寺 秋彦一味と言いますか…このメンバーが冒頭でも触れましたが、あらゆる事件にそれぞれの立場で関わっているのです。物語が進むにつれ少しずつ嫌な予感がして来ます。
それが最後に回収され、人々が囚われていた色々なものが祓われ、事件の真相が顕になります。

末路が果たして幸か不幸か、それは分かりません。

ただ、全ての「不思議なこと」が、「不思議ではないこと」に置き換えられていきます。
これがこのシリーズの世界観となっています。

おわりに:京極夏彦『魍魎の匣』の感想

あらすじをどう書いてよいものか、相当悩まされました。単に私が纏めきれる文章能力を持っていないからなのですが、膨大な量になるな、と…。

あらすじに書けなかった並行して起こっている事件はまだあります。
それが幾重にも重なって、偶然なのか何なのか、それぞれが絡み合ってくるのです。

これはシリーズ物で、主人公と言って良いと思うのですが”中禅寺 秋彦”を始め、かなり難ありな曲者の一味が登場し、彼らの関係性もとても面白いです。

私は京極夏彦先生にハマリ、ほぼ全作読みました。
そして、他にもシリーズ物の作品はあり、そちらもかなり長いのですがおすすめです。
好き嫌い、かなり分かれる作品だと思いますが(笑)、もしお好きなら全作品読まれることを推奨します。
なぜかは…読まれるとお分かりになると思います!!

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