漫画『スパイファミリー』のあらすじ&感想【登場人物全員嘘つき!】

SPYでFAMILY?

一見、なんの絡みも親和性もないこの二つが混ざり合ったら、どんな化学反応が待っているのか!
そんな好奇心をもたらせてくれるのが、この漫画『SPY×FAMILY』(以降『スパイファミリー』)です。

「全国書店員が選んだおすすめコミック2020」1位!
「第24回手塚治虫文化賞」ノミネート!
「漫画大賞2020」2位!

そして、2020年10月現在で600万部突破(電子版含む)するなど、ジャンプ史上『暗殺教室』に次ぐ勢いで売れている話題作です。

この本を手掛けた著者は、遠藤達哉先生。
遠藤先生は「正体を隠してストーリーが展開していく」設定にこだわり、この『スパイファミリー』の前身作『I SPY』も、スパイが主人公の作品になっています。

『スパイファミリー』もまた、「スパイ」が主人公ですが、そこに「ファミリー」というエッセンスが加わって、この水と油のような組み合わせがこの漫画の面白さをより一層引き立てています。

『スパイファミリー』が、なぜこれほどまでに話題作なのか、そして皆さんに愛され続けているのかを、あらすじや感想と共にお楽しみ下さい。

ブログ運営者より:
この記事の本文は読書家ライター・冬木みさをさんに書いて頂きました!

『スパイファミリー』のあらすじ

SPY×FAMILY 1 (ジャンプコミックス)

『スパイファミリー』のあらすじ①: クールに淡々とスパイ活動をする、黄昏たそがれ

西国ウェスタリスのスパイ、黄昏たそがれという男が、東国オスタニアでスパイ活動をしているところから、この物語は始まります。

黄昏という名前は、コードネーム。
彼は100の顔を持ち、世界各国の情報をかぎ分け、 世界平和の為に身分証を捨て正体を隠し、結婚などという当たり前の幸せを捨て、日々戦っています。

感情を出す事なく、恋人をあっさり捨て、粛々とスパイ活動をこなしていくのです。

『スパイファミリー』のあらすじ② :新たな任務を完遂する為に、偽りの家族を作る

そんな日々を過ごしている黄昏に、新たな任務が下されます。

その任務とは、「国家統一党総裁、ドノバン・デズモンドの不穏な動きをいち早く察知する」こと。

この人物は、東西平和を脅かす危険人物。
大変用心深く、姿を現す事もほとんどないため接触の難しい男で、この男に近づく為には息子が通う名門校、イーデン校の懇親会に参加する他ありません。

黄昏はその懇親会に参加するため、偽りの家族を演じることになります。
偽りの妻を持ち、偽りの子供を得る。

そしてその子どもをイーデン校に入学させ、子供経由でドノバン・デズモンドに接触する任務というわけです。

黄昏は、孤児院からアーニャという女の子を渋々引き取り、ヨル・ブライアという女性を妻として迎え入れますが、なんとこの二人にも隠し事があって・・・・・。

『スパイファミリー』はここがおすすめ!

「スパイ」と聞くと、危険な仕事、誰にも知られてはいけない秘密の仕事であり、天涯孤独なイメージがありますが、今作品では任務を遂行する為に敢えて家族を作らなければいけないという面白さがあります。

しかし、作り上げた家族にも隠し事があって、なんと、娘アーニャは人の心が読める超能力者、妻のヨル・ブライアは「いばら姫」というコードネームを持った殺し屋だったのです!

3人が三様とも隠しているので、お互いに勘違いや思い込みのままストーリーが広がり、ねじれた関係性のまま突き進んでいきますが、それが良い方向性へと導いていきます。

黄昏は、時に危ない場面に出くわすのですが、アーニャの超能力とヨル・ブライアの常人を超えた圧倒的な身体能力で切り抜けられたりとハラハラドキドキする展開が待ち受けています。

「日常がなんだかつまらないなあ」
「なにか、面白い事ないかな」

そんな貴方に、ぜひこの世界に入って頂けたらと思います。
自分が黄昏になるもよし、娘アーニャになるもよし、妻ヨル・ブライアになって黄昏にときめくのもよし、それぞれの思いが貴方の日常を非日常へと誘うでしょう。

おわりに:『スパイファミリー』の感想

とにかく黄昏がかっこいい!
彼の揺れ動く感情と、微細な変化が面白い!

この言葉につきます。

「スパイは情なんか持っちゃいけねえ」
黄昏はそう固く心に誓っていますが、娘アーニャや妻ヨル・ブライアを迎え、徐々にその気持ちが変化していくのです。

人の前で気を抜いたり、ましてや「寝る」などという行為をしたりとスパイにとっては言語道断なはずなのに、アーニャの前では徐々に自分を解放していくのです。

それはアーニャが子供らしさゆえ、天真爛漫でいつもパパ(黄昏)の事を想っているから。
ヨル・ブライアに対しても、一生懸命妻を演じようとする彼女に自分自身も感化され、いつしか本当の家族のようになっていきます。

4巻では、アーニャが通うイーデン校での、アーニャの地位をあげるため犬を飼う事になるのですが、この犬も実は未来を予知できる犬。
ボンドと名付けられたこの犬が、今後どのように活躍していくのかも見ものです。

ただのホームコメディではありません。

「スパイ」という職業柄と、妻ヨル・ブライアの「殺し屋」という職業柄で度々危険な場面がありますが、その切り抜け方やアクションに痺れます。

アーニャも、ようやく入れたイーデン校で、標的・デズモンドの次男と犬猿の仲でありつつも互いに認め合ったり応援し合ったりと、成長していくのです。

スピード感溢れるアクションとほっこりする家族の形成、緩急のあるこの漫画。
それぞれの感情を一場面も見逃さず、今後も読んでいきたい。
そんな一冊です。

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