当ブログ『袖振り合う一冊』は、ネタバレなしでおすすめの小説や漫画をご紹介することで、ブログ読者の皆さまが新たな1冊と出会えることを願って運営されています。
記事を書いているのは運営者の葛史エンと、ご協力頂いている読書が大好きなライターさん方です。
この記事では、そんな僕たちが「これまでの読書家人生で至高の3冊を挙げるなら?」というお題で、悩みに悩んで選び抜いた3冊を軽い自己紹介と共にご紹介致します!
ライターさんにはご自身のキャッチフレーズを考えてもらいました。
目次から、気になるライターさんを探してみて下さいね▼
【そうだ小説家ブロガーになろう】葛史エンのおすすめ小説
1990年生まれ。男性。当ブログの運営者。
大学を卒業して就職するも生きがいを感じられず、プロの小説家になることを決めた。(息巻いたもののプロの壁はひどく厚く、現在も挑戦の渦中にいます)
プロの小説家として自分の作品を世に出し、更にこのブログで世の作品を読書好きの皆さんにお届けしながら暮らすのが夢。
好きな小説のジャンルは「ファンタジー」ですが、書き手の勉強も兼ねて雑多に読んでいます。
どうやらド直球に主人公が活躍する作品より、捻くれたというか深みがあるというか…主人公が悶々と考えながら何だかんだ活躍する作品が好きな模様です。
「人生の3冊」を選ぶにあたりかなり迷いました。挙げ句、同じ作家さんから2作品選出という結果に。
まあ、後悔はありません。
②と③は読破するの大変かもです。
葛史エンのおすすめ小説①:上橋菜穂子『精霊の守り人』
学生の頃に読んで「こんなに美しい文章を書ける人が世にいるのか」と驚嘆させられた一作。
色鮮やかな情景、冷も暖も伝わる温度、細やかな主人公たちの機微、文章だからこそ映える戦闘シーン。あと、思わずヨダレが出そうになる創作の料理たち…!
女用心棒が、父である帝に命を狙われる皇子を”守る”ストーリーです。
女用心棒は戦闘も心の在り方も全てが格好いい。幼い皇子も突如訪れた理不尽に抗い、そして助けられながら成長していきます。
世界観も、ストーリーも、人間模様も。すべてが強く美しい1冊です…!
凄腕の女用心棒・バルサと、幼き皇子・チャグムの物語です。 (女用心棒というワードにすごく惹かれませんか…?) どんな困難にも勇猛に挑む経験豊富なバルサ。 いきなり外界へ放り出された皇宮育ちのチャグム。 二人の出会いは、国を揺るがす大[…]
葛史エンのおすすめ小説②:冲方丁『ばいばい、アース』
Lin、と音告げる時計石に、少女がうっすらと瞼を開いた。
光と目の間で明暗が等しくなるにつれ、その勝ち気そうな黒い瞳の中を、飛び込んでゆけそうな青い空がどこまでも広がっていった。
(うっかり誘い込まれるよなあ……)冲方丁『ばいばい、アースⅠ』(角川文庫)より
孤独な少女が主人公。
独自のファンタジー世界では誰もが”角”や”尻尾”といった特徴を持っているのですが、この少女だけは何の特徴もなく種族すら分かりません…。旅に出ることで自らの出自を探ることになりますが…?
時計石や正義・悪、長耳族といった造語がふんだんに使われていて、個人的にはこれを眺めているだけでも楽しめます。(これだけの造語をつくる冲方さんはスゴすぎる…)
まあ何というか、とにかく”テーマ性”の強い作品でして、長編(文庫本4冊)なこともあって好きでないと読破できないでしょう。読破できても一度でテーマの全てを汲み取るのも無理と思います。
ひとクセ、ふたクセある作品が好みの僕にはドンピシャの1冊です。
葛史エンのおすすめ小説③:冲方丁『光圀伝』
人生のベスト1を決めろと言われれば、僕はこれですね。
水戸光圀の一生を描いた作品。「水戸黄門」で知られる光圀ですが、若かりし頃の光圀は苦悶しながらも”義の道”をひた歩んでいました。
幼少期に始まり、順を追って光圀の変遷を辿ることができます。
突きつけられる難題、人生の難問、大切な人たちとの死別、それでも生きねばならない辛さ……。直面する光圀に共感せずにはいられない構成力と文章力、何より熱い想いに満ち満ちた1冊です。
生きることの意味を考えさせられること必至。こんなふうに生き抜きたいものです……!
>>葛史エンの書いた記事はこちらからどうぞ!
【海外暮らしの大阪人】なにわのおすすめ小説
1987年生まれ。女性。イラストレーター&WEBライター。
幼い頃から漠然と”遠い場所”に強く惹かれる。創作好きで夢見がちな性分に加えて、なぜか頑なに「呼ばれている気がするから大きくなったら外国に行くね」と言い続けて両親を困惑させた。
幸いなことに多くのご縁と機会に恵まれ三カ国での就労を経た後、現在は夫とイタリア・カナダでQOLを重視した二拠点生活を送っている。
大好きな絵と文のお仕事の合間に、エッセイ漫画をインスタでゆるっと更新したり、美味しいチョコレートを食べるのが幸せ。
私にとって読書は、自分の知らない世界・知らない誰かの人生を覗ける魔法のようなものなので「エッセイ」と「現代・海外文学」を好んで読みます。
ジャンルとしてはファンタジーやミステリーも好きですが、こちらは視覚で楽しみたい派なので映像で鑑賞することが多いです。
お気に入りの本が多いので「人生の3冊」を選ぶのはとても難しかったのですが、やっぱり自分の印象に強く残っているもので且つ今でも何度も読み返している作品を選びました!
3冊とも読みやすいので初心者さんにも手がだしやすいと思います。ぜひ気楽な気持ちで日々の合間に読んでみてほしいです。
なにわのおすすめ小説①:パウロ・コエーリョ『アルケミスト』
この作品には本当に感銘を受けました。記事でも書かせて頂いたのですが、国境も読み手の年代も超えて多くの人の心に響く一冊だと思います。また、個人的に「シンプルな文体なのにこんなにも胸を打つ文章が書けるのか…!」と驚かされた本でもあります。
あとは、お話を読むことを通して人生における大切なことを教えてもらっているような感覚(まるで旅先で出会ったおじいちゃんが聞かせてくれるお話のようなイメージ)と時には傷付きながらも夢を追いかける主人公を自分と重ねる高揚感が私は大好きです。
自分の心境や年代で、読む度に感じることが違うのも面白いところ!何度読んでも色褪せない、大切な一冊です。
ブラジル人作家のパウロ・コエーリョによって1988年に執筆された『アルケミスト-夢を旅した少年』という本をご存知でしょうか? この作品は1993年にアメリカでの出版を機に世界中で熱狂的な支持を得て以来、なんと67ヶ国語にも翻訳されました。[…]
なにわのおすすめ小説②:さくらももこ『もものかんづめ』
私が初めて読んだエッセイ本です。りぼんっこだった私は子供の頃『ちびまる子ちゃん』をコミックス全巻揃えるほどさくら先生の漫画が大好きでした。
そのさくら先生が書くエッセイを大人になってから書店で見つけた時の高揚感たるや…!
「期待しかない!!」と息巻いて購入。その後すぐのフライト中に読んで笑いを堪えるのが大変だったのを今でも覚えています。
独特の視点からあの淡々とした文体で綴られる爆笑の内容。そして表紙と挿絵にはさくら先生のイラストが描かれてあるのも漫画ファンとしては嬉しい点です。
ところで、実はこの『もものかんづめ』は三部作の一冊目で、この他にも『さるのこしかけ』と『たいのおかしら』の二冊があります。三冊とも傑作なので、まとめて読むことをおすすめします!
なにわのおすすめ小説③:ヤマザキマリ『地球生まれで旅育ち ヤマザキマリ流人生論』
見えている範囲のことだけに満足して生きていくのはどうしても私には無理だった……。
ヤマザキマリ『地球生まれで旅育ち ヤマザキマリ流人生論』(海竜社)より
この一行に激しく同感して、貪るように読んでしまったエッセイ本。
私はヤマザキ先生のバックボーンを全く知らないまま『テルマエ・ロマエ』の漫画を読んで「賢い人が描いたんだろうなぁ」と驚嘆したものですが、このエッセイを読んでなぜあんなにユニークな作品が生まれたのかが分かった気がしました。
周りを取り巻く人間がとにかく”濃い”です。良い意味でわがままに、素直に、気楽に生きている温かい人たちに囲まれて育まれた著者の感性。彼女自身のユーモアに加えて、若くして海外へ出て得た経験と、その中で努力しながら積み重ねた莫大な知識量。世界中を旅した著者だからこその価値観がとても興味深いです。
また文学や芸術、イタリアについても多く書かれているのでそちらに興味がある方にもおすすめですよ。
>>なにわさんの書いた記事はこちらからどうぞ!
【海外プロジェクトXを生きる日々】楽観のおすすめ小説
40代、男性。本業はインフラ系海外プロジェクトのプロジェクトリーダー。
仕事柄海外を飛び回る生活が長く、異文化交流のなかで「自分の原点は何か」に悩んだ事も。その中で幾多の小説と出会い、小説から得られたインスピレーションで数多の苦難を乗り越えられた経験も有り。自らが小説から得たインスピレーションが他の誰かの人生に何かしら役に立つ事もあるはずと思い、葛史エンさんのブログにライターとして参加させて頂いています。
ジャンルには特に拘らず、何でも読みますが好きな小説の傾向として「生き様」や「男の悲哀」といったものが書かれている小説を好む傾向にあります。
今回「人生の3冊」を選びましたが、正直選考にかなり苦慮しました。なかなかベスト3と決めるというのは難しい作業でした。
結果、「ベスト3」という形ではなく、「仕事を忘れて何かに没頭したい時」「誰かに背中を押して欲しい時」「結果を恐れず一歩踏み出す勇気が欲しい時」という、3つのシチュエーションで読みたくなる本を3冊、選定しました。
この3冊が、それぞれのシチュエーションにおいて皆さんの共感を得られれば、ライター冥利に尽きます。
楽観のおすすめ小説①:馳星周『不夜城』
「仕事を忘れて何かに没頭したい時」に読む本です。(※映画版はR15指定という事もあり若年の読者層には不向きです)
ノワール小説の旗手である馳星周の小説家デビュー作であり、1996年度「このミステリーがすごい!」で第1位に輝いた傑作。のちに「鎮魂歌」「長恨歌」と続く不夜城シリーズの第一作でもあります。
とにかく面白い。そして、その面白さが従来の小説と全く違うベクトルの面白さなのです。小説の面白さの一つとして「感情移入出来る」というのがありますが、本作の特徴は「登場人物の誰にも感情移入出来ない」という点にあります。
歌舞伎町に潜む日中混血の主人公や中国人マフィア、その情婦といった人物達が登場しますが、まぁこれが酷いこと酷いこと。脅して、騙して、すかして、裏切りの限りを尽くしてひたすら自分の利益だけを追い求めるのです。
読後に感じる絶望感がまた絶品なこの小説、全てを忘れたい時にぴったりです。
楽観のおすすめ小説②:司馬遼太郎『尻啖え孫市』
続いて「誰かに背中を押して欲しい時」に読む本のご紹介。
戦国紀州の雑賀党党首・雑賀孫市の人生を描いた痛快歴史小説。天衣無縫を絵に描いたような快男児・孫市がスーパーヒーローのように暴れまくります。
卓抜した軍事的才能を持ちながら不思議なほど欲が薄く、ただひたすら「快男児」として生きる事を望むその生き方。他人に束縛される事を何よりも嫌い、子供のように無邪気でありながら、天下の覇者に堂々と逆らい、しかも退けてしまう程の強者。人としてこれほどアンバランスな人間も珍しいと思うほどです。
孫市のように天衣無縫に生きる事が厳しい現代であるからこそ、「孫市はこうだった」とせめて心で思ってそう生きようとしてもいいのではないでしょうか。
人生で悩んだ時にこの本を読むと、本の中から孫市が「案ずるな。わしが背中を押してやる。なぁに、失敗したら死ねばいいだけの話よ」と語りかけてくれるようで、大好きな一冊です。
紀州雑賀(サイカ)という聞き慣れない土地に住む地侍集団。 日本一と謡われた鉄砲の数と腕を武器に、各地の大名に金で雇われた「戦国一の傭兵集団」、その親玉が本作の主人公・雑賀さいか孫市まごいちです。 織田信長、豊臣秀吉という天下人に真正面か[…]
楽観のおすすめ小説③:北方謙三『破軍の星』
最後に「結果を恐れず一歩踏み出す勇気が欲しい時」に読む本です。
ハードボイルド小説の大家・北方謙三が描く南北朝時代を舞台とした歴史小説。北方謙三が描く南北朝ものは数多く俗に「北方太平記」とも呼ばれます。
そのなかで南朝方の悲劇の英雄・北畠顕家を主人公に据えた一冊ですが、顕家の行動力がとにかく凄まじいの一言。
わずか16歳という年齢で陸奥守に任ぜられ、奥州に下向した顕家ですが、たちまちのうちに奥州を平定し、南朝方の危機には奥州から鬼神のような速度で京都へと駆け上がって敵を蹴散らします。「ほんとにこんな16歳が存在したの?」と思わず疑ってしまう程です。
容姿端麗で部下にも慕われ、かつ戦争にも強いという非の打ち所のない顕家ですが、最後まで己の信念を貫き、幾度目かの奥州からの京都遠征を駆け抜けた後、わずか20歳そこそこで戦死してしまいます。
「どんな時でも、夢に向かって駆けていたい」
そう言い残して散った顕家に比べれば、この程度の困難が何だ!と今一度勇気を奮い立たせてくれる一冊です。
ハードボイルド小説の大家、北方謙三が手掛け人気を博した通称「北方太平記」シリーズの一作、『破軍の星』は南朝方の若き天才・北畠顕家の一生を描きます。 「太平記」で知られる南北朝時代。足利尊氏や楠木正成といった著名な武将は居るものの、どうもイ[…]
>>楽観さんの書いた記事はこちらからどうぞ!
【国語講師、転じて物書きになる】Ima_Meguruのおすすめ小説
普段は、マンガ・アニメ・小説・転職系記事のライターをしています。30代男性です。
20代はサラリーマンとして仕事をして、人並みに世間に揉まれていました。
塾講師として国語や英語を教えていたかと思えば、質屋で鑑定を覚えてみるなど、なんだか変な生き方をしてましたね。
30代を機に、自分の好きなことをして生きていきたいと考えて脱サラ。
元々文章を書くことが得意だったことや職業経験含め、それらを世の中に還元するべくライターとして活動中。
あと、たまに趣味で小説も執筆してます。
好きな小説のジャンルは「ヒューマンドラマ」と「ミステリー」。ジャンルではないですが、主人公が努力して成長するタイプの物語も好きですね。
「人生の3冊」というと大げさかもしれませんが、個人的に思い入れの深い作品を3つ選ばせていただきました。
完全な個人主観ですが、どれも思い入れのある作品なので、これを機に皆様の目に触れたら良いかなと思って選びました。
Ima_Meguruのおすすめ小説①:J.K.ローリング『ハリーポッターシリーズ』
いきなり超メジャータイトルですが(笑)大抵の人はあらすじ説明とかいらないのではないでしょうか?でもあえてこれを最初に持ってきたのは、やっぱりそれだけ初めて読んだ時の衝撃が強かったからですね。
私がこの作品を読んだのは小学生のころ。当時はまだ映画化もしていませんでした。それまで小説を読んだことも無かったのですが、読んだ瞬間に、そこに描かれる魔法の世界に一気に引き込まれてしまいました。影響されるあまり、学校の階段を見ては、「これが回転したらどうなるんだろう」とか妄想したものです。(笑)
文字通り、むさぼるように読んだ小説は後にも先にもこの作品以外ありません。
説明不要の有名作ですが、文字で読むとまた違った世界が広がることでしょう。
Ima_Meguruのおすすめ小説②:高橋弥七郎『灼眼のシャナ』
高3の時、人生で初めて読んだライトノベルでした。本格的にブームだったのって10年以上前なんですけど、いやーやっぱり面白いですよ、「シャナ」。今の作品に全く見劣りしません。
なんといっても、キャラメイキングが最高です。
火のように燃える色の瞳と髪。まだ幼い少女の見た目ながら、日本刀を振り回して敵をバッタバッタと打ち倒す。そして二つ名が「炎髪灼眼の討ち手」ときてる。
およそテンションの上がる要素しかなくて、読んだ瞬間に「なんだこれ、めっちゃ面白れぇ!」ってなったのをすごく覚えています。
バトルファンタジー物なので設定とか用語がいっぱい出てくるんですけど、何故だかそれが苦にならずにスッと体に入りこんでくるので、あまり気にもなりません。
少し前の作品ですが、今でも魅力十分の作品。ラノベ好きの方はオススメです。
このページでは、電撃文庫刊行、高橋弥七郎『灼眼のシャナ』についてご紹介します! ジャンルは学園バトルファンタジーもの。ライトノベルでありながら、シリーズ累計で860万部以上を売上げた大ヒット作です! 私がこの作品を読んだのは高校3年生の[…]
Ima_Meguruのおすすめ小説③:コナン・ドイル『バスカヴィル家の犬』
作者名からお分かりかもしれませんが、「ホームズシリーズ」のうちの一作です。数ある作品の中でこれをチョイスしたのは、初めて読みながらトリックと犯人を当てることができたミステリー作品というちょっとした思い出から。(笑)
それはさておき、作品テイストとしてもミステリー要素と冒険要素が上手く混じりあって、非常に読みやすい点もオススメ。堅苦しい要素とか深く頭を使う必要とかもないので、ミステリーの入門としても読めます。読む内に世界観に引き込まれ、気付けばおどろおどろしいダートムアの風景が目の前に広がるような錯覚を覚えることでしょう。読んでいて一番楽しかったホームズ作品として、ここで挙げさせていただきます。
>>Ima_Meguruさんの書いた記事はこちらからどうぞ!
【日本文学を愛する現役女子大生】wqgm_asのおすすめ小説
今年(2020年)で20歳の女子大生。
太宰治「人間失格」をきっかけに、日本近代文学に興味を持ち、大学でも勉強中。
周りに好きな作家を聞かれ、「太宰治」と答えると、「ひねくれてる」だとか「なにか辛いことでもあるの?」だとか、たいてい良い印象を持たれないことが悩み。
何かしら日本語を深く扱うことのできる職業に就くことが夢です。
どこか毒々しくて美しい文章がたくさん並べられていると、とてもテンションが上がるので、時代に関わらず「耽美」な雰囲気を纏う本が大好きです。日頃、本を読んだ際に美しい!と感じた文章は、携帯にメモするようにしていて、見返すと幸せになれます。
また、自分が文章を書く時もなるべく美しい文章が書けるよう奮闘しております。
「人生の3冊」を選ぶにあたって、本棚を漁りまくりましたが、「この本やっぱり好きだな」と、ふとした時に思い浮かぶ本を選びました。私の考え方や生き方に、かなり深く影響を受けた3作品です。
wqgm_asのおすすめ小説①:山田詠美『A2Z(エイ・トゥ・ズィ)』
たった26文字で、関係のすべてを描ける言語がある。それを思うと気が楽になる。
山田詠美『A2Z』(講談社文庫) より
「A2Z」は、私が本を読むことが好きになり、そして日本語を大好きになるきっかけになった、私にとってとても大事な一冊です。
このお話のすべての章題はアルファベット1文字で構成されており、アルファベットの文字数に合わせてA~Zの26章に分かれています。そして、Aなら「accident」、Bなら「breathe」といったように、物語の中にアルファベットが章ごとにひとつずつ登場します。たった26文字ですべてが成り立つアルファベットにまるで抗うかのように、洒落た艶っぽい日本語が次々と紡がれていく様子は、本当に素晴らしいという一言に尽きます。
ストーリーは「不倫」がテーマということもあり、中学生の頃に読んだ私は、大人の世界に一歩足を踏み入れたような気がしたことを鮮明に覚えています。
アルファベット26文字から繰り広げられる大人の恋のすべては、恐ろしく美しいものです。
wqgm_asのおすすめ小説②:宮沢賢治『銀河鉄道の夜』
『銀河鉄道の夜』は、小さいころに子ども向けの本で読み、成長してから改めて読み返すと、息が止まるほどの美しさと不気味さに衝撃を受けました。
常人ではとても思いつかない表現力で「銀河」を神秘的に表し、煌びやかな情景の中にも底知れない恐ろしさを残す。これほど「美しい」という言葉を体現した文章は『銀河鉄道の夜』しか知りません!
何度も読み返していますが、いまだに全く意図が読み解けない部分も多く、読めば読むほど虜になってしまいます。タイトルは聞いたことあるけどちゃんと読んだことはないという方、機会があればぜひ宮沢賢治が描く銀河を旅してみてください。
wqgm_asのおすすめ小説③:太宰治「人間失格」
やはり私の人生において、この作品は外せませんでした…!
「人間失格」は、「噓」「不浄」「怠惰」など人間の弱さを全てかき集めたような作品ですが、自分に自信がなく、常に虚勢を張って生きてしまう私にとって、何故かとても救われたような気持ちになれた一冊です。隠しておきたい弱さは人間誰しもにあるもので、それらと真正面から向き合っている「人間失格」は、決して重苦しいだけの作品などではなく、今にも崩れ落ちる弱さでありながらも、とても力強く優しく温かみのある作品のように私は感じます。
生きることに疲れた時にこの本を読むと、「こんな自分でもいいんだ」と自分を赦してあげることができます。読んだ人全員がこのような気持ちになる作品ではないと思いますが、敬遠しがちな方にもぜひ一度最後まで読了していただきたい一冊です。
>>wqgm_asさんの書いた記事はこちらからどうぞ!
【同人小説家はプロの夢をみる】緋衣箒のおすすめ小説
1995 年⽣まれ。女性。同人小説家。
小学⽣の頃から小説を読むことが好きで、いつしか小説家になることを志していました。
2019 年から同人活動を行いつつ、出版社の公募に原稿を応募しプロの小説家を目指しています。
特に好きな小説のジャンルは「ファンタジー」ですが、青春、ミステリ等、主に十代の少年少女がメインに活躍する物語を雑多に読んでいます。
未成熟な登場人物が身体的、精神的にずたずたにやられつつもまばゆく成長していくようなストーリーが好きです。
そのせいか、児童書やライトノベルに好きな作品が多いです。
今回、「人⽣の3冊」執筆へお声がけをいただいたとき真っ先に思い浮かんだ作品を紹
介させていただきます。
① と③はシリーズものなので、読破するのは大変かもしれません……!
緋衣箒のおすすめ小説①:池田美代子『妖界ナビ・ルナ』
私が初めて読んだ長編シリーズが、この児童書です。
児童養護施設で暮らす主人公の女の子、竜堂ルナはちょっぴり鈍くさい小学 3 年⽣の女の子です。
そんな彼女が妖怪に襲われたことをきっかけに、自らも妖怪と人間の子、半妖として目覚め、さらに陰陽師としての力を受け継いでいることが判明し、世界を守るため旅に出ます。
普通の、もっと言えばいわゆるカーストの低い子が超人的な力に目覚めるという、わくわくするような設定です。
ただし、ルナはただ出自が特殊なだけでなく、自分や友達を傷つけた敵をもゆるすという、天使か聖人かと問いたくなるような精神性の持ち主でもあります。そんなルナを、はらはらしながらも応援せずにはいられません。
緋衣箒のおすすめ小説②:時雨沢恵一『キノの旅』
中学校の図書室に置かれていたこのシリーズが、私とライトノベルとの出会いでした。
銃の達人、キノと人の言葉を喋る二輪車、エルメスの旅のお話です。
行く先々が変わった国で、変わった人たちがいるかと思えば、キノたちも独自の価値観や正義で対処していきます。
世界は美しくなんかない。そしてそれ故に、美しい
時雨沢恵一『キノの旅Ⅰ』電撃文庫より
この言葉が、このシリーズのすべてを表しているような気がします。
登場人物たちは皆どうしようもなく愚かだったり、浅ましかったり醜かったりします。けれどそれが、ひどく愛おしく感じられるのです。
緋衣箒のおすすめ小説③:野村美月『“文学少女”シリーズ』
私が愛してやまない小説が、この学園ミステリです。
主人公の井上心葉は元天才美少女覆面作家の高校⽣。平凡な毎日を望む彼を振り回すのが、文芸部の先輩にして「本を食べる」文学少女の天野遠子。主に遠子が原因で、二人は学園を
中心に巻き起こるミステリアスな出来事に巻き込まれます。
本編は毎巻何かしらの文学作品(一巻では太宰治『人間失格』)をモチーフにしたストーリー展開になっていて、その絡ませ方が巧妙で、何度も唸らせられました。
心理描写、情景描写が秀逸で、遠子ではありませんが食べてしまいたいくらいです。
人間の持つ美しさや醜さ、痛みや喜びを丁寧に、愛をもって描き出した小説です。
私もいつかこんな小説が書けたらと、目標の一つにしています。
>>緋衣箒さんの書いた記事はこちらからどうぞ!
【1000冊以上読んだライター】冬木みさをのおすすめ小説
1980年生まれ。女性。ライター。
都内某女子大日本文学科卒。小学生の頃初めて小説を書く。1994年関東論文大会佳作入賞。2008年コスモス文学賞受賞。
IT企業に従事するも、40歳という年齢を節目に「好きな事で生きていきたい」という思いから、本格的にライターの道へ。
好きな小説のジャンルは「純文学」です。芥川龍之介、川端康成、太宰治等、大正~昭和初期の作品を高校時代に片っ端から読みました。大正ロマンに昭和レトロといった、その当時生き抜いた人々の人生に魅せられます。
「人生の3冊」は、数ある作品の中から、私の転機となったものを挙げました。どれも思い出深く、語り切れないほどですが本当に読んでほしい3作品です。
冬木みさをのおすすめ小説①:氷室冴子『海がきこえる』
ジブリでもアニメ化された、知る人ぞ知る作品。『海がきこえる』ファンは、略して「うみきこファン」というぐらい、ファンも多いです。
中学1年の時、夕方にテレビで放送されているのを偶然見ました。その海の情景がキラキラとしていて美しく、坂を自転車で下ったり、夏草がそよそよと風になびいていたりと、そのどれもが胸に響き、急いで本を買いに行ったことを覚えています。
高知県の進学校を舞台にした青春小説で、廊下の壁に全生徒の成績表が貼ってある光景は、同じ進学校に行っていたような方は、「(そういう事)あったあった!」と思わず頷いてしまうシーンも。
私も、あまりに自分の青春と通じるものがあり、大人になってからとうとう高知県まで行って聖地巡礼までしてしまったほどのファンです。もう、あの時には戻れないけれど、あの時でしか経験できない出来事や感情を思い出させてくれます。
冬木みさをのおすすめ小説②:三島由紀夫『金閣寺』
三島由紀夫といえば、ひたすら苦悩の人生を送った人物というイメージですが、この『金閣寺』という作品も、実際に起きた金閣寺放火事件をモチーフに、三島の人物造型、観念や人生観を反映し造り上げた作品になっています。
吃音を持った主人公が、世間からの迫害を受け戦中戦後を生き抜く中、金閣寺の美に魅せられやがて事件を起こすのですが、こちらも高校時代に何度も読み、大学で研究した思い出深い作品です。
今でも度々狂気的な事件が起きたりもしますが、そこに至るまでの人間の感情や揺らめき、その中でも一寸の喜びであったり、時代の波に揉まれるのか、それとも逆行していくのか。人間の感情はとても複雑で、到底分かるものではないですが、当時の時代に生き抜いた一人の男の人生を、この作品で味わうことができます。
沢山の学者が様々な研究を重ね論文を出し続ける程難しい作品ですが、日本文学を代表する作品なので一読する価値ありです。特に、人格形成する成長期の高校生に読んで欲しい一冊です。
冬木みさをのおすすめ小説③:向田邦子『字のないはがき』
小学校時代、教科書に載っていた作品で、子供心に強烈に心に残った作品です。
読んだことがあるという方も、多いのではないでしょうか。
戦争中、向田邦子の実の妹が疎開先で父親にハガキを送る実話です。向田邦子といえば、『父の詫び状』や『阿修羅のごとく』など、文体はテンポよく次々と展開が広がる作品が多いですが、この『字のないハガキ』もまた、悲しみの中に戦争という非業さと、普段は怖い父親の家族愛とを澱むことなく綴った作品となっています。
終盤になるにつれ戦争がいかに憎いか、どれだけ民衆を苦しめたのかが、皮肉なことに怖い父親の振る舞いによって描かれています。
私の祖父も、肩に銃弾を受け命からがら帰ってきた元軍人でしたが、大変厳しく、挨拶をするだけでも体が震える程、非常に恐ろしい存在でした。
そういった経験も踏まえ、戦争がどれだけ当時の民衆への影響を及ぼしたのかを研究したく、大学時代の卒論に選んだ作品です。
>>冬木みさをさんの書いた記事はこちらからどうぞ!
【さまよえる療法士】 めいのおすすめ小説
1980年生まれ。女性。
大学を卒業し、一時バックパッカーの真似事をした後、医療系の仕事へ進む。
小学生の頃から友人が遊びに来ても友人宅へ遊びに行っても、無視して本を読み散らかしては顰蹙を買い、生来のなまけもの精神は今もなお治らず、どこへ行ってもゴロゴロしては何かを読む。
将来は壁一面本棚にし、好きな本、漫画、DVD等を並べ、好きな音楽を聴きながら過ごす超娯楽室を設けて暮らしたいと思っている。
好きな小説のジャンルはミステリー。好きな作家は京極夏彦と芥川龍之介。この時点で我ながらやや偏った傾向にあると思います。ですので、作家さんやジャンル等、私の知っている量なんて真の読書家様の足元にも及ばないと思います。。。
が!!はまると全作品読みたくなり、全作品揃えてしまいます!!
現代の日常を描いたものは思い返すと少なく(意識したことはなかったのですが)、一昔前の時代のもの、非日常的な世界、気になった作家さんのエッセイ、時代小説が好きなようです。
3冊に絞るのはかなり難しく、選んだ今なおまだ迷いがありますが、この3つにさせて頂きました。
めいのおすすめ小説①:中島らも『僕に踏まれた町と僕が踏まれた町』
めったにはない、何十年に一回くらいしかないかもしれないが、「生きていてよかった」と思う夜がある。一度でもそういうことがあれば、その思いだけがあれば、あとはゴミクズみたいな日々であっても生きていける。だから「あいつも生きてりゃよかったのに」と思う。生きていて、バカをやって、アル中になって、醜く老いていって、それでも「まんざらでもない」瞬間を額に入れてときどき眺めたりして、そうやって生きていればよかったのに、と思う。あんまりあわてるから損をするんだ、わかったか、とそう思うのだ。
中島らも『僕に踏まれた町と僕が踏まれた町』(朝日文芸文庫)より
あっという間に読めます。
関西の奇才天才、中島らも氏のエッセイです。
正直私も世代違いなのですが、どことなく懐かしい哀愁たっぷりの雰囲気。
めちゃくちゃな話ばかりなのですが、らもさん節とも言える愛のある言葉が散りばめられており、それが考えさせられたり、納得させられたり、そして泣けるのです。
アホで破天荒でしっちゃかめっちゃかで…。でも愛すべき中島らも氏の青春エッセイ。
当時を生きていた方にもですが、今の時代の若者にも何か感じるものがあるのではないでしょうか。
なかなか生きにくくなった今だからこそ、愛の人らもさんの本をおすすめしたいです。
めいのおすすめ小説②:鈴木光司『ループ』
当時流行に流行った、言わずと知れた『リング』『らせん』の続編にして完結編とも言えるこの作品。
ホラーがめちゃくちゃ苦手で、実は映画は観ていません。ですが小説なら…と流行りに乗って『リング』を読み始め、続いて『らせん』も。映像独自のびっくりさせられる系の怖さはなかったのですが、ジワジワと迫ってくるようなおどろおどろしい感じは小説ならではなのか、本当に怖かったです。
そしてこの『ループ』へ。
ずっと”呪い”や”死”、”幽霊”等といったホラーのつもりで読み進めていて…
後半の衝撃は今でも時々人に話します(笑)。それほど驚きました。
もう一度読み返しても楽しめる小説だと思います。
めいのおすすめ小説③:夏目漱石『こころ』
誰もがご存じの大ベストセラーの小説です。
初めて読んだのは大学生の時。私はそれまで所謂「文豪」と呼ばれる先生方の小説を読んだことはありませんでした。教科書等でその名前だけはもちろん認知していましたが、その内容はほぼ知らず(お恥ずかしい限りで…)、どこかで今の時代の私にはちょっと分からない難しいお話だろうと思っていました。
しかし、『こころ』を読み、その意識が変わりました。
どこか遠い世界の話だと思っていたのが、絵空事ではなく現代を生きる私にも身近なものとして感じることが出来ました。
今も昔も人はそんなに変わらない。それが読み終えた時の感想でした。
もちろん時代背景も違いますし、完全に理解することは私には難しいのですが…人の心の汚い部分、弱い部分は昔も今もずっと変わらないのだな、と。
私にとって、「文豪」と言われる先生方の小説を読み始めるようになった、そんなきっかけの一冊です。
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【ゲームと本とカラオケと】タイタンのおすすめ小説
20代男性。
趣味はゲームや読書などインドア派よりなのだが、唯一カラオケは好き。
本業は車の生産職なのだが、あまり面白みを感じられずにいたため、本業にない新鮮さを求めて副業を始めようと模索する。その結果、趣味の読書を通じてできる読書家ライターの道へ。
まだまだライターとしては卵であるが、孵化する気配がないため、無精卵の疑いあり。
色んな本を感覚で選びながら読み歩く雑食ですが、ノンフィクション物や時代小説にはあんまり手を出して来なかったという印象。
好きな作家で言えば、有川浩さんや伊坂幸太郎さんなどです。
僕が選ぶ「人生の3作品」は、僕の物事の考え方に影響を与えてくれた作品を選びました。
特に有川浩さんには沢山学ばせてもらっていますね。
タイタンのおすすめ小説①:有川浩『旅猫リポート』
ある事情から飼い猫のナナを手放さなければならなくなった悟。ナナを引き取ってくれる人を探すため、古い友人を巡る旅に出ます。
猫であるナナの目線で語られるその旅の軌跡は、とても綺麗で悲しくて暖かくて。悟とナナがとても愛おしく感じる作品です。
色々な本を読んできた僕ですが、この本が一番好きだと言ってもいいぐらいでして。
主人公の悟は、とても暗い過去を持ちながらも、優しく思いやりを持って人に接することの出来る心を持っています。こんなふうな人間でありたいな、そう思わせてくれる人物です。
そんな悟を、僕はいつも物事の考え方の参考にさせてもらっています。
「吾輩は猫である。名前はまだ無い」 そう語った猫がいた。 そしてその猫を語る、もう一匹の猫がいた。 『旅猫リポート』はそんな感じで始まる、猫が語り部を務めるロードノベルです。 猫が語り部なんて面白そうですよね、しかもなかなかにませて[…]
タイタンのおすすめ小説②:伊坂幸太郎『チルドレン』
本作は、独自の価値観を持ち、むちゃくちゃな行動ばかりおこす陣内という男を追った5編の短編小説からなる作品です。
陣内がどれくらいめちゃくちゃかというと、銀行強盗に巻き込まれた時はビートルズの曲を歌ったり、いじめの現場に遭遇した際はいじめられている側を殴ったり。
そんなむちゃくちゃなことばかりする陣内ですが、その言動には時たまハッとさせられることもあります。
陣内の友達の1人である永瀬は生まれつきの盲目でした。盲目は他人から見れば“可哀想”なものであるらしく、ときおり街中で同情した人からお金などの“善意の押し付け”をうけることがありました。
しかし陣内はその現場をみた時、永瀬だけズルい、目が見えないとか関係ない、なんでお前だけなんだ、と声を上げます。そんな陣内に永瀬は顔を綻ばせました。
勝手な同情はときに、悪意のない差別につながる。そんなものを飛び越したとこにいる陣内はすごいなと思いました。
タイタンのおすすめ小説③:有川浩『レインツリーの国』
様々な人が本の感想を書き記すサイト、レインツリーの国。そんなサイトで伸行は、ある本の感想を通じて利香という女性と出会います。しかし彼女は事故で難聴を患っていました。互いを理解しようと歩み寄る2人、ですがその理解への道のりは困難なものでした。
難聴、知識としてそれを知るのと実際に耳が聞こえないのは違うものです。そして明確な病名がなくとも人は大なり小なり傷や負い目を抱えているもので。
人のそれにもし対峙した時自分はどうすればいいのだろう、そう考えさせてくれる。レインツリーの国はそんな作品です。
僕自身、身内に障害を持った人がいまして。ずっと近くで過ごしていたのに、やっぱり理解できないことって多いんですよ。
でもまあ無理に理解することもないのかなって。理解できるとこ、しなきゃいけないとこだけ深めていければそれでいいのかなって。
この作品を通じて僕はそう思うことができるようになりました。
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