『ダンまち』のあらすじ&感想【これは一人の少年の英雄譚】

ここでは、『ダンまち』の愛称で知られる、GA文庫刊行、大森藤ノ『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』のあらすじと感想を紹介します!

コミカライズ・アニメ化も果たした大人気作!
特徴的なタイトルなので、なにやら聞いたことがあるという方もいらっしゃるかもしれません。

ライトノベルと言う小さな媒体にこれでもかと詰め込まれた壮大な冒険譚が魅力の『ダンまち』。
主人公のベル・クラネルが数々の出会いと戦いを通じて成長していく様は、まさに彼が憧れてやまない英雄譚を垣間見るかのような気持ちになります。

ただまっすぐ、ただひたすらに憧れを追い求める一人の男の子の物語。
そんな『ダンまち』のあらすじと感想、そして魅力をご紹介します!

ブログ運営者より:
この記事の本文は読書家ライター・Ima_Meguruさんに書いて頂きました!

『ダンまち』のあらすじ

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか (GA文庫)

『ダンまち』のあらすじ①:冒険者ベル・クラネル

遥か昔より、そこには「ダンジョン」というものが存在していた。

——円形都市オラリオ

そこは世界各地からダンジョンでの冒険を求めて人々が集う冒険者の街。

白髪が特徴の14歳の少年「ベル・クラネル」もまたダンジョンでの憧れを胸に抱き、オラリオにやってきた一人です。
幼いころから祖父に聞かされた冒険譚、そしてそこに登場する英雄の姿に彼は強い憧れを持っていました。

といっても彼はまだ駆け出しのLv1の冒険者。
憧れの英雄には程遠く、ダンジョンに潜っては低級の敵と戦って少ない稼ぎを得る……そんな日々でした。

そんないつものようにダンジョンに潜っていたある日。

ちょっとした気持ちでいつもより深い第5層まで潜ったベル。
少しだけ難易度を上げたくらいのつもりで潜ったその階層で出くわしたのは、本来その場所に存在するはずのない怪物、「ミノタウロス」でした。

『ダンまち』のあらすじ②:ダンジョンに出会いを求めるのは……

圧倒的に実力差のある強敵に突然出くわしたベルは、ただただ逃げることしかできません。
逃げ惑う最中、ダンジョンに出会いやら夢やらを抱いていた自分の馬鹿さ加減に嫌気が差しつつも、ついに追い込まれてしまうベル……。

自らの死が脳裏をよぎったその時、突如としてミノタウロスの胴が一閃。

噴き出す敵の返り血を頭から浴びて真っ赤になったベルが目にしたのは、金色の髪をたなびかせ、強敵を物ともせずになおもそこに立ち続ける凜とした姿の一人の少女。
その美しさと圧倒的な剣捌きから「剣姫」の二つ名を轟かせる「アイズ・ヴァレンシュタイン」の姿でした。

「……大丈夫ですか?」

アイズに声を掛けられたもののベルは言葉を返すことができません。

あまりの美しさ、強さに思わず見惚れてしまったベルは、なぜだか湧いてきた猛烈な恥ずかしさとともにお礼を言わずにその場を走り去ってしまいます。

その日から、それまで曖昧だった彼の目標は定まりました。

「あの人に、追い付きたい」

ダンジョンで出会った、強く美しい女性、アイズ・ヴァレンシュタインに並び立てるような冒険者になる。
一人の少年が胸に抱いた憧れは、彼を冒険者としての日々に導いていくことになります。

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか?
再結論。僕は、間違えてなんかいなかった。

大森藤ノ『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』(GA文庫)より

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 6巻 (デジタル版ヤングガンガンコミックス)
左:ベル・クラネル
右:アイズ・ヴァレンシュタイン

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『ダンまち』はココがおすすめ!

  1. ひたむきな主人公、ベル・クラネルの成長!
  2. RPG好きにオススメ! ゲーム性を落とし込んだ物語設定。

『ダンまち』のポイント①:ひたむきな主人公、ベル・クラネルの成長!

この作品の核ともいえるのはなんといっても数々の冒険を通じての主人公ベル・クラネルの成長です!
というより、本編は彼のための物語であるといっても過言ではないでしょう。

ベルの特徴を一言で表すならば「純粋」。

オラリオにはやって来たばかり。
戦い方だって我流。

そんな駆け出し冒険者の彼が、絶体絶命のピンチにアイズ・ヴァレンシュタインと出会うことで動き出す物語。
彼女に追い付きたいという憧憬の火を心に灯すことから物語は始まります。

作品の中で一貫しているのは、とにかく彼が憧れや自分の意志に対して、純粋で真っすぐであるということ。

「憧れの人に追い付きたい」
「馬鹿にされたら悔しい」
「みっともないところは見せたくない」
「泣いている女の子は助けたい」etc……

そんな自分の中の想いに従って、ただひたすらに努力する。辛くて、傷を負って、疲れて膝を折っても、それでもまた立ち上がる。

なんでしょう。この、すごく純粋に「男の子」な部分ですかね?
本当にこのキャラクターの最高の魅力だと思います。

そして、彼の確かな努力の先に成長や仲間との出会いが描かれる。
強くなるにしてもポンと強くなるのではなく、そこに納得できるだけの理由付けがある。
それって物語を構成する上ですごく大事なことだと思うんですよ。

ベルは冒険譚の英雄に憧れている節がありますが、
読者の我々からしても、ベルの姿に好感や自分も頑張ろうといったある種の「憧れ」に近い感情を抱かせてくれます。

そんな読者を惹きつけてくれる主人公の成長物語こそ、この作品最大の魅力と言えるでしょう!

『ダンまちの』ポイント②:RPG好きにオススメ! ゲーム性を落とし込んだ物語設定。

この作品のもう一つの特徴として挙げられるのは、RPGゲームの要素を物語に落とし込んだ設定です。

「ダンジョン」「レベル」「ステイタス」「スキル」などなど。
ゲーム好きな方には聞き馴染みのある単語かと思いますが。

「ダンまち」は世界観が広い分結構深くまで設定が練り込まれています。
なので普通であれば読んでいる内に読者が迷ってしまいそうな面があるのですが、このゲームに近い設定はある種それを回避するための親切設計でもあると個人的には思います。

つまり完全に作者の造語を同じ割合で盛り込まれてしまったなら、作品の密度的にまず間違いなく物語が破綻します。
読んでいる内に「え、これって何のことを言ってるの?」といった具合で。

しかし、「ダンまち」の場合はそれがゲーム用語を用いているので言葉を聞いただけで何となく何を指しているのかイメージが湧くのです。
それによってキャラクターの強さの尺度であったり、場面の危険度、成長の段階などの分かりやすさが確保されているという点は読者にとってありがたい限り。

作者の描きたい世界観と、読者を置いてけぼりにしないための設定。両方のバランスが保たれている部分は、この作品の上手さと言えるでしょう。

おわりに:『ダンまち』の感想

漫画や小説、ラノベに映画。なんでもそうですが、私個人の好感を持てる主人公像の一つが「ちゃんと努力して成長していく」ということなのです。

そんな私の琴線にドンピシャで触れたのが、「ベル・クラネル」というキャラクターであり私がこの作品に惹かれたきっかけでもありました。

フィクションでも現実でもそうですが、「頑張ってる人」ってやっぱり応援したくなりますよね?

「何でも上手くいっている人」と「10回中9回失敗でも諦めず、最後に1回成功する人」。
見ていて自分も頑張ろうと思わされるのは一体どちらでしょうか?

私は断然、後者です。

断っておくと、作中で彼はとある理由から目覚ましいほどの成長をします。

しかし、それで危機を難なく攻略できるようになるのか?
答えはNoです。

目覚ましい成長を以てして、それでも憧れに程遠く。
相変わらず失敗や苦労が多いのは変わっていません。

それでも彼はまた純粋に憧れを求めてダンジョンに潜ります。

そんな「ひたすらに頑張る主人公」が好きな方には是非ともオススメなこの作品!
あなたも「ダンまち」の世界と出会ってみてはいかがでしょうか。

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