漫画『ビースターズ』のあらすじ&感想【動物さんに教えてもらう事】

これは動物さんの世界のお話です。

こう聞くと、何となく某おもちゃシリーズ、シ○○ニア○ァミリーのような優しい世界観を想像される方も多いかもしれません。かく言う私も、話題になっていたのは知っていましたが、動物さんのお話か~と、それこそ何となく後回しにしていた漫画でした…。

ですが、読むと分かります。この『ビースターズ』の動物達は、もしかしたら私達人間社会よりもシビアで、凄惨で、そしてやや歪んでしまった社会を生きているのかもしれません。

正直きっかけは、『ビースターズ』の作者が、あの『グラップラー刃牙』の板垣先生の娘さん!?だということでした。(すみません。。)
それで興味を持った私は、またまた何となくですが読み始め…ものの見事にハマッていくこととなるのです。

まだ完結していないのですが、どういう結末となるのか、板垣巴留先生の伝えたいことは?社会とは?
この漫画には様々なテーマが込められていると思います。

そんな漫画『ビースターズ』のあらすじや感想をネタバレを最小限に抑えてご紹介します!

ブログ運営者より:
この記事の本文は読書家ライター・めいさんに書いて頂きました!

漫画『ビースターズ』のあらすじ

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『ビースターズ』のあらすじ①:エリート学校「チェリートン学園」での食殺事件

主人公の”ハイイロオオカミのレゴシ”は全寮制共学学園「チェリートン学園」に通う、かなり素朴でかつ無口な男子高校生。
不器用で感情表現が苦手で、それ故に草食動物から時に誤解を受ける事もあるのですが、とても繊細で優しいオオカミです。

この学園では、肉食獣と草食獣が同一空間で学園生活を送っています。

そんな、一見理性的で平和そうなキャンパスライフで、ある日大事件が起こりました。

レゴシと同じ演劇部に所属する”アルパカのテム”が、何者かに「食殺」されてしまったのです。
「食殺」とは、書いて字の如く、「食いついて殺す」事です。

この肉食獣と草食獣が共存する世界では、食殺は絶対禁止とされており、最も重い罪でした。
この事件をきっかけに、今まで表面上保たれていた均衡が少しずつ崩れ、肉食・草食それぞれの鬱々としていた感情や、社会そのものへの不満が、次第に見え隠れしてくるようになりました。

そんな中、テムの死を誰よりも悲しんでいたレゴシは、犯人を捕まえようと奔走します。
しかし結局犯人を見つけることは出来ず、肉食・草食同士の確執が生まれただけで、事件はうやむやになっていくのでした…。

漫画『ビースターズ』のあらすじ②:レゴシ、外の世界を知る

食殺事件の犯人が見つからないまま、学園生活は進みます。

レゴシは<とある事>がきっかけで深く関わることになった”ドワーフ種ウサギのハル”に、特別とも言える執着心を抱いていました。
肉食獣の狩猟本能なのか、恋愛感情から来るものなのか…。レゴシ自身も見極められません。

そんなある日、レゴシは部活の買出しで街へ出た際、迷い込んでしまった「裏市」で”ジャイアント・パンダのゴウヒン”と出会います。

レゴシは、クマ科でありながらその食のほとんどを草食とし、裏市で医者をしているこの不思議なパンダに、ハルへ抱いてる感情を話します。
ゴウヒンは、ハルへの想い、それは狩猟本能からくる歪んだ恋愛感情だと言い、事件になる前にハルとは距離を置くべきだと説きます。

そんな中、またしても事件が起こりました。
街がお祭り準備で賑わっている最中、ハルが何者かに誘拐されてしまうのです。
裏市の犯罪組織が絡んでいると突き止めたレゴシは、ゴウヒンの力を借りてハルの救出へ向かうのでした。

チェリートン学園で起きた食殺。ハルの誘拐。

それらの大事件を経て、レゴシは結果学園を退学します。
ここから学生ではない、一社会人としての新たな生活を送ることとなるのでした。

『ビーズターズ』はここが面白い!!

『ビーズターズ』はここが面白い①:擬人化された世界がお見事!!

この漫画には人間は出てきません。全て擬人化された動物達のお話です。
その世界は人間社会の男女や人種どころではない、もっと本能的に相容れることが出来ない別種同士が共存しています。
今自分と仲良く遊んだり喋ったり、すぐ隣にいる存在が、「食べる側」と「食べられる側」になるのです…!!
人間社会の人種の違いくらい、それが一体何なのだ…と思えてきます。

動物たちは、この絶対的に解決出来ないであろう種の違いを、自制心と法に則って受け入れ、共に生活を送っていました。
でも、やはりそこには社会の建前や無理強いがどうしたって奥底に存在しており、やがてそれは大きな歪みとなって段々表面に浮かび上がり、いよいよ平穏無事ではいられなくなってきます。

その歪んだ世界を、それはそれは見事に獣に置き換え、肉食獣、草食獣、しいては爬虫類や海洋生物なども登場してきて、各特性をかなり上手に活かし、多様性の世界が表現されています。

特に”ジャイアント・パンダのゴウヒン”の存在は私の中で、なるほど…!!と唸るものがありました!!

漫画『ビースターズ』はここが面白い②:やっぱり、かわいい。

散々厳しい世界を描いた漫画だと言ってきましたが、内容こそシリアスな場面はたくさんあるものの、それをとても読みやすくしてくれているのは、やはり動物さん達がかわいいのです。

レゴシを始め、学校編も社会人編になってからも、本当にたくさんの生き物が登場してきます。
それぞれのキャラクターが自分の特性をもって、とてもかわいく表情豊かに描かれています。
レゴシの友人達も、とっても良い子(獣)ばかりです。それだけで癒されます。なるほど、イヌ科か、と思わせられます(笑)

食殺や人身売買、社会の歪み等のシリアスな内容と、各生き物達のかわいさ、そのアンバランスな世界観が、これまた『ビースターズ』の面白いところではないでしょうか。

おわりに:漫画『ビースターズ』の感想

読んでみないと分からない。
『ビースターズ』は本当にそう思いました。
単純に、面白い!!と思うのですが、と同時に上手いな~と感心してしまいました(偉そうな言い方になってしまいましたが…)。
社会派の作品は今までもたくさんあると思うのですが、また少し違った表現で私達の人間社会を風刺した漫画だと思います。

私の中で勝手に、学園編が第一章、レゴシが社会人になってからが第二章と位置付けて読んでいるのですが、どんどん新しい登場人物が出てきて、どんどん事件が起こり、ずっと面白いです。

学園の中だけで生活していたレゴシが社会へ出て、様々な”大人達”と知り合って、綺麗事だけでは生きていけないことを目の当たりにします。
でも、レゴシは生来の素直で真っ直ぐな性格をもって、ずる賢くなってしまった大人達を、無自覚に気持ちよくやり込めていきます。そんな姿も、とてもカッコ良くて素敵なのです。

そんなレゴシの成長過程を見るのも、楽しみの一つではないでしょうか。

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