漫画『ピアノの森』のあらすじ・ストーリーと感想【憧れずにはいられない】

個人的な好みなのですが、私は”別格”の誰か・何かが活躍していくお話が好きです。
それは能力であったり才能であったり性格であったり、現実的なものから非現実的なものまで。
ワクワクするし、ハラハラするし、そしてやはりとても憧れてしまうのです。

今回の『ピアノの森』もそうです。
一人の”特別な何か”を持った青年の物語です。

音楽を題材にした漫画はたくさんあると思いますが、この作品も題名の通り、ピアノの世界を描いた漫画です。クラシックピアノです。

ピアノの腕もさることながら、見目も麗しい少年、主人公”一ノ瀬いちのせ かい”の生い立ちからピアノとの出会い。そしてコンクール出場。その先の海の本当の願いとは…。

何者でもなかった少年が、特別な才能と縁を土台に、どんどん世界を広げていきます。
そんなシンデレラストーリーをどうぞ見届けて下さい!!

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この記事の本文は読書家ライター・めいさんに書いて頂きました!

漫画『ピアノの森』のあらすじ&ストーリー

ピアノの森(1) (モーニングコミックス)

漫画『ピアノの森』のあらすじ&ストーリー①:海、ピアノとの出会い。

「森のはた」と呼ばれる、ヤクザや町の荒くれ者が集まるような一画があり、主人公の海はそこで娼婦の息子として生まれ育ちます。
母親の玲子(通称:玲ちゃん)は女手一つで海を愛情いっぱいに育てていましたが、場所柄や環境もあり、海は小学生にして風俗店の雑用として働いていました。
見た目の美しさもあって男性客からちょっかいをかけられたり、学校では娼婦の息子といじめられたり…決して恵まれているとは言えない環境ながらも、海はそんなものに屈することなく、優しくたくましく育っていました。

そんな海には唯一の心の拠り所がありました。
「森のピアノ」です。
赤ん坊の時、偶然家の裏にある森で見つけた捨てられたピアノ。それを海は毎日毎日弾きに行っていたのです。

誰にも知られていなかった海とピアノの関係。ある日、それを知ることとなる人物が現れます。
海と同じ小学校に転校して来た同級生”雨宮 修平”と、音楽教師の”阿字野 壮介”です。
雨宮は父親が世界的に有名なピアニストで、幼い時から英才教育を受けてかなり厳しく育てられていました。
教師の阿字野はかつてピアノコンクールで賞を総なめにし、かの有名なショパン国際コンクールへ出場する程のピアニストでした。その奏でるピアノは取る賞以上の魅力があり、記録よりも人の記憶に残る演奏をするピアニストでした。

そんな二人との出会いが、この先の海の運命を大きく変えていくこととなります。

漫画『ピアノの森』のあらすじ&ストーリー②:海、世界へ。

雨宮は海のライバルに、阿字野は海の師となり、海は紆余曲折を経てついにピアノ界の表舞台へ出て行くこととなります。
目指すは音楽コンクールの最高峰、ショパン国際ピアノコンクール。
阿字野は海を、あの劣悪な環境「森の端」から「世界」へ連れ出そうとしていました。この少年にはそれだけの天賦の才があると確信していました。

阿字野は海のピアノを指南することとなるのですが、その時ある約束をします。二人の師弟関係は六年後のショパン国際ピアノコンクールまでだと。その日が来たら二人の師弟関係は解消となります。
海はそれを承諾し、そこから二人のまさに二人三脚が始まります。

そしてついに二人の最後の舞台、ポーランドへ。
ショパン国際ピアノコンクールの始まりです。

漫画『ピアノの森』はここが面白い!

漫画『ピアノの森』はここが面白い①:海と阿時野。

生まれ育った環境もあり、海はとてもやんちゃです。小学生の時は先生やいじめっ子達と喧嘩するような超生意気な子供でした。ですが、本当は母親思いで弱いものいじめが大嫌いな、とても優しい子供です。
そして阿時野は悲しい過去からピアニストを諦め、人生に色をなくしてしまった大人でした。

そんな二人が出会い、師弟関係となります。
父親のいない海と、心を閉じてしまった孤独な阿字野。二人はピアノで繋がった縁ですが、師弟を超えたような強い絆で結ばれていきます。

あらすじでも触れましたが、阿字野は海と一つ約束をしています。
期間限定の師弟関係とする、と。
阿字野は海をとにかく有名にし、大きな広い世界へ連れ出してやりたいが為に賞レースへの参加を目標に掲げます。そこまでが自分の使命なのだと。

しかし、読み進めていく内に私はやや違和感を抱くようになりました。
海はその期間限定の条件を飲み、コンクール出場、更には賞を取る為に阿字野と歩んでいくことになるのですが、海は元々賞レースに執着するような人間なのかな…?と。

海には本当の夢があるのです。ピアノを引き続ける理由と言っても良いかもしれません。
それが最後に明らかになるのですが、お互いを思い合う二人の、師弟を超えた関係性が何とも言えず素敵なのです。

漫画『ピアノの森』はここが面白い②:音楽が聴こえる。

この漫画もやはり音が見事に表現されていると思います。
全てもちろん、私達読者の脳内で想像として鳴っているだけなのですが、美しいうっとりするような音楽が聴こえているような気がするのです。

国際的権威のあるピアノコンクールとあって、審査する側も様々な単純ではない思惑が渦巻いています。
自国ポーランドの誇りや賄賂のようなものまで見え隠れし、なかなか一筋縄では行かないのですが、海の圧倒的なピアノ演奏を前にすると誰もが心を奪われてしまいます。

その、人の思惑や心までも動かしてしまうような海の演奏が、コンクール中ずっと楽しむことが出来ます。

おわりに:漫画『ピアノの森』の感想

海の奏でる音楽は知らず知らず人を幸せにし、コンクールで出会った他のピアニストらをも救う場面があります。その心を救う演奏は、ピアニストだけでなく、遠い地で画面越しに海のピアノを聴いている日本の家族や仲間にも届くのです。
ピアノ演奏もですが、もちろん海の人柄も大きく影響していると思います。

過酷な環境だったにも関わらず、海はピアノ一本で世界中の音楽を聴いている人達を虜にし、認められ、人としての本当の優しさを知っている青年へと成長していきます。
そして、設定上ですがめちゃくちゃ男前なのです(笑)
憧れずにはいられません!!

一ノ瀬海を中心に、迷いながらも優しい人物がたくさん登場してきます。
海のピアノの才能に嫉妬しながらも、親友でライバルでもある雨宮。森の端で愛情いっぱいにたくましく海を育て上げる母親の玲ちゃん。海の恋人となる冴。もちろん各国のピアニストもたくさん登場し、皆それぞれ悩んだり傷ついたりしながら、海と共に成長していきます。
ピアノ以外でも読み応えのあるエピソードや、とても刺さる言葉が出て来ます。

音楽と一緒に最後の最後まで楽しめる漫画です!!

実際に曲を鑑賞できる”ピアノコレクション”も販売されています▼

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