『自転しながら公転する』のあらすじ&感想【悩める30代女性達に!】

小説『自転しながら公転する』をあらすじや感想と共にご紹介します!

作家、山本文緒さんの、7年ぶりの長編。
『君の名は』「天気の子』を手掛けた深海誠監督や、読書家で知られている女優・南沢奈央さんもおススメしています!

全国の書店員さんからも絶賛の本。
貴方も手に取ってみませんか?

「今、人生につまずいてしまっている」
「先が見えない」

こんな思いを持った、特に女性陣に読んで頂きたい一冊です。

人と比べてしまったり、羨んだり、自己否定に陥ってしまったり……。
それはぐるぐる思考が回ってしまう、まさに「自転しながら公転する」さまそのものです。

そんな、誰もが一度ははまる沼にどう抜け出せばいいのか。
私は、数ある自己啓発本より、ぐっと心に刺さり、この本で自分を鼓舞させる言霊の数々に出会いました。

読み終わった時、明るい未来への兆しを感じられる事でしょう。

ブログ運営者より:
この記事の本文は読書家ライター・冬木みさをさんに書いて頂きました!

『自転しながら公転する』のあらすじ

自転しながら公転する

『自転しながら公転する』のあらすじ①:32歳。独身。非正規社員。ー私、本当にこのままでいいの?

主人公は、32歳の与野都という女性です。

都は、2年前まで東京のアパレル販売員として、正社員で働いていましたが、母親の介護の為、実家のある茨城に戻ってきます。
牛久大仏の見えるアウトレットモール内のアパレルで、契約社員として働きつつ、母親、桃枝の病院に付き添い、ちくちくと嫌味を言ってくる父親と三人で暮らします。

都は、32歳という年齢もあって、
「このまま契約社員でいいのだろうか」
という考えが頭をもたげます。

そんな中、同じモール内の回転寿司職人、羽島貫一、ベトナム留学生のニャン君と出会う事で、都の運命は次第に、『自転しながら公転』しだすのです。

『自転しながら公転する』のあらすじ②:問題が次から次へとやってきて……

新しく入ってきた職場の問題児、中井杏奈、MD東馬と店長、亀沢の関係性に翻弄されつつ、幸せな結婚生活を送っている学生時代からの友人、絵里や、ハイスペックな彼氏持ちの幼馴染のそよかを羨んだり妬んだり。

都は、成り行きのように羽島貫一と付き合いだしますが、彼はあまり自分の過去を話さず、結婚の事についても、同棲についても煮え切らない態度で、都と貫一は旅行先で大喧嘩するのです。

絵里やそよかから、
「結婚したいなら、そんな男に時間つぎ込むより、早く婚活した方がいい!」
とアドバイスされ、都もマッチングアプリで婚活したりもするのですが、やはり頭の中ではぐるぐると考えが蠢き、
「一体、自分はどうしたいのだろうか」
と、思い悩みます。

貫一との関係性、ニャン君からの好意、職場でのセクハラやバイトの子達のボイコット、そして父親も倒れ、都は、どうやってこの苦難を乗り越えていくのでしょうか。

『自転しながら公転する』はここがおすすめ!

  1. 悩みを抱えた30代女性達に
  2. 人と比べて、自分に自信が持てない人に

『自転しながら公転する』おすすめ① :悩みを抱えた30代女性達に

都は、沢山の問題を抱え、一人で「自転しながら公転」しています。

それは、ある問題が起きているのに、更に輪をかけて大きな問題が起き、完全にはまってしまっている状態。
都は、それを貫一に指摘され、どうすれば切り抜けられるのか、日々思い悩んでいます。

仕事、恋愛、結婚に介護。
30代女性なら、どれか一つは当てはまる悩みでしょう。

都は、これでもかといったぐらいの問題を一人で抱え込み、助けてほしい、泣き叫びたいのに、もう大人だからそれも出来なくて、とにかく一人で戦おうとするのです。

この「一人でなんでも解決しようとする」のは、共感できるのではないでしょうか。
30代というと、周りは結婚していたり、キャリアを積んでいたりと、学生時代は皆同じ足踏み揃えていたのに、いつの間にか自分の人生をそれぞれ進んでいます。

そんな中、
「自分は、まだこんなところで立ち止まって、足掻いているんだ」
という読者の方もいるかもしれません。

しかし、この本を読み終わった時、読者は、都が「自転しながら公転」し、最後に出した答えに、ほろっとした思いを抱くでしょう。

『自転しながら公転する』おすすめ②: 人と比べて、自分に自信が持てない人に

都が特に思い悩んでいるのは、「貫一との関係性」です。

貫一は、中卒で回転寿司職人です。その回転寿司も閉店してしまい、貫一は無職になってしまいます。
「仕事を探している」と言いながら、面接もあまり進んでいないような状況に都はモヤモヤ。

「絵里は幸せな結婚出来ていいな」
「そよか、ハイスペックな恋人がいていいな」

都は、どうしても友人達と、自分の不運な境遇と比べてしまい、貫一と喧嘩してしまうのです。
そんな時、絵里とそよかから言われた言葉が都の心を揺さぶります。

-こだわればこだわる程、狭量が狭くなる-

それは、悪点でもあり良点でもあるわけです。

自分の良し悪しは表裏一体で、それを決めるのも自分自身。
自分に自信がなくなったら、またこの本に戻ってきてください。

おわりに:『自転しながら公転する』の感想

著者、山本文緒さんは『ブルーもしくはブルー』や『きっと君は泣く』、『あなたには帰る家がある』等、沢山の著書がありますが、そのどれもが女性の心理描写に長けています。この『自転しながら公転する』は、その集大成ともいえるべき作品です。

ぜひ、読んで見てください。
分厚いですが、あっという間に読み終わります。

仕事の事も恋愛の事も、真面目に、誠実に向き合えばきっと誰かが見てくれていて、そして、何よりも自分を大事にする意味の大切さを教えてくれます。
都は、自分を犠牲にして親の介護や仕事に全力を出しますが、本当は親をほったらかして、自分の時間に使いたいと思ったり、「契約社員なのにどうしてバイトの子達の面倒まで見なきゃいけないの?」といった思いもあったりするのです。
 
表面には出さないけれど、いい子に見えたとしても内面は汚い部分もあって、それは人間の心理として抗えないもので、それでも「自分の選択は正しかった」と言える日がくるまで、その時その時を一生懸命生きればいいと思わせてくれる、そんな作品の一つになるでしょう。

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