『ビブリア古書堂の事件手帖』のあらすじ&感想【古書が呼ぶ事件と謎】

舞台は北鎌倉にある古書店。そして古書にまつわる事件と謎。
これだけ揃えば読まない選択なんてない!と本を手に取れば、古書の知識と文豪たちの作品が魅力的に語られ、古書にまつわる事件と謎を鮮やかに解き明かす様子に圧倒されてしまいました。

作者は「三上 延」さん。今回あらすじと感想を紹介する『ビブリア古書堂の事件手帖』は第1シリーズの1作目となり、ドラマと映画で実写化されるほどの人気シリーズです。2018年9月には第2シリーズがスタートし、さらにファンを楽しませてくれています。

古書にまつわる事件と謎解き、読後には文豪たちの作品が気になり始めてしまう『ビブリア古書堂事件手帖』のあらすじと感想を紹介していきます。
気になった方はぜひ一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。

ブログ運営者より:
この記事の本文は読書家ライター・大森羽菜さんに書いて頂きました!

『ビブリア古書堂の事件手帖』のあらすじ

ビブリア古書堂の事件手帖 ~栞子さんと奇妙な客人たち~ (メディアワークス文庫)

  1. はじめに
  2. ふたりの再会・夏目漱石「漱石全集」
  3. 女子高生とせどりやの出会い・小山清「落葉拾ひ・聖アンデルセン」
  4. 夫婦の愛情の形・ヴィノグラードフ・クジミン「倫理学入門」

三上延『ビブリア古書堂の事件手帖』のあらすじ①:はじめに

『ビブリア古書堂の事件手帖』は4つの物語から書かれています。

主な登場人物は「ビブリア古書堂」の店主、篠川栞子さん。
本以外のことでは極端な人見知りを発揮してしまいます。そしてひょんなことから「ビブリア古書堂」でアルバイトをすることになった五浦大輔君です。
全話を通して五浦君の視点から物語は語られていきます。

三上延『ビブリア古書堂の事件手帖』のあらすじ②:ふたりの再会・夏目漱石「漱石全集」

高校生のある日、五浦大輔君は忘れ物に取りに学校へ向かう途中で「ビブリア古書堂」の店の前で思わず足を止めてしまうほど綺麗な眼鏡をかけた女性、篠川栞子さんを見かけます。
しかし五浦君はアクションを起こすことなく日々が過ぎ、大学を卒業し内定をもらった会社が倒産し無職になってしまいました。

そんなある日、祖母の遺品を整理していた母親から「漱石全集」を見せられ五浦君はある出来事を思い出します。
当時まだ問題なく本を読むことが出来た小学生の五浦君は、祖母の本には絶対触ってはいけないと言われているにも関わらず約束を破り「漱石全集」を触ってしまいます。

見つかった五浦君は、手加減なしの力で頬を二度張られてしまうほど尋常ではない祖母の怒りとともに「次に同じことをしたらうちの子でいられなくなる」とまで言われてしまったのです。

あらためて全集をみると漱石の名前と見知らぬ名前、価格とビブリア古書堂の文字が。
五浦君が読むなら処分はしないと母親は言いますが、いつの間にか五浦君は長い時間本を読むと体調不良になるという体質になってしまっていたのでした。

査定をしてもらうならビブリア堂にしようと、眼鏡美人のことを思い出した五浦君は、漱石が書いた本物の署名かどうか確かめにビブリア堂へ向かいます。
しかし店主の栞子さんは骨折をして入院中でした。それなら直接病院へ行き査定をしてもらえばいいと店番の少女に強引に言われてしまい、とまどいながら病院に向かう五浦君。
そこには高校生の時に見た、現ビブリア堂店主、篠川栞子さんがいました。

栞子さんに漱石全集を見せて査定をしてもらう五浦君。本を読むと体調不良になること、この本を触った時の祖母の尋常ではない怒り、見知らぬ名前と漱石のサイン。
たったこれだけのことから栞子さんは驚きの事実を五浦君に告げることになります。

三上延『ビブリア古書堂の事件手帖』のあらすじ③:女子高生とせどりやの出会い・小山清「落葉拾ひ・聖アンデルセン」

ひょんなことからビブリア古書堂でアルバイトをすることになった五浦君。

ある日せどりやでホームレスの志田が買取の本と、栞子さんに解決してほしい事件を持ち込みます。
五浦君は病室を訪れ、買取り希望の本と解決してほしい事件を栞子さんに伝えました。

事件の内容を聞いた栞子さんは病院のベットから動けない自分の代わりにあることを確かめてほしいと五浦君に協力を求めます。
そして五浦君が調べ確認した出来事や行動から、栞子さんは鮮やかに謎を解いていきます。

まるで見てきたように事実を告げる栞子さんが怖くなってしまうほどに。

三上延『ビブリア古書堂の事件手帖』のあらすじ④:夫婦の愛情の形・ヴィノグラードフ・クジミン「倫理学入門」

いつものように病室に買取査定をしてもらう本を持ち込みながら、五浦君は栞子さんにちょっと変わったお客さんのことを話します。
その男性のお客さんはきっちりしたビジネススーツ、ひげもきちんと剃り、髪もぴっちり撫でつけていて地方銀行の支店長のような佇まいでした。ただし濃い色のサングラスをかけていることを除いては。

そしてそのお客さんが帰ったあとに今度は男性の妻となのる女性から「本は売らないので返してほしい」と電話が入りました。
なぜ夫が売るという本を妻が止めようとするのか、五浦君と栞子さんが話しあっていると栞子さんが本に記載されている文字に気づきます。

事実に驚愕していたその時に、病室へ男性の妻が現れます。その後遅れて本を売りに来た男性も現れ、妻に真実が語られます。
そして夫婦が帰宅した後栞子さんから五浦君へ、栞子さんが骨折した本当の理由が告げられます。

三上延『ビブリア古書堂の事件手帖』のあらすじ⑤:狂気とも言えるコレクター愛・太宰治『晩年』

栞子さんが所持する太宰治の『晩年』はコレクターたちにとって垂涎のもの。
しかしそのことで栞子さんは狙われ、トラブルに巻き込まれています。トラブルを知った五浦くんは解決のために栞子さんに協力することになります。

狂気とも言えるほど「晩年」に執着をもつ人物に立ち向かう栞子さんと五浦君。
ラストまで一気に駆け抜ける展開に目が離せません。

『ビブリア古書堂の事件手帖』はここがおすすめ

おすすめポイントは『ビブリア古書堂の事件手帖』を読むことで国内外の文豪たちや多ジャンルの作品を身近に感じることができることです。

物語の中に登場している4冊の他にも栞子さんが読んでいたり、古書店の場面でちらりと登場したり、気づけばたくさんの本のタイトルを目にします。

誰でも名前だけは知っている文豪の作品も、栞子さんが五浦君に話すシーンから「君達が思うより難しくないよ、手に取ってみて」と作者「三上 延」が『ビブリア古書堂の事件手帖』を通して敷居を低くしてくれています。
1冊で2冊、3冊、さらにはそれ以上にたくさんの本と出会うことが出来る『ビブリア古書堂の事件手帖』。

読書好きには魅力的すぎてたまらない本だと思います。

おわりに:三上延『ビブリア古書堂の事件手帖』の感想 

本の中で本を読んだ。と思うような読後感でした。
まるで夢の中で夢を見る。ではないですがその時に感じるような不思議な感覚になりました。

本の虫、栞子さん。読みたくても体質的に読めない五浦君。栞子さんが五浦君に本の内容を語り、五浦君が聴く。

それは一方通行のようで実はひとつの作品を共有し、作品について語り合うことが出来、読まなくても読書ができることを教えてくれています。
さらに本を通して人と人がつながっていく様子が、(晩年の章の時のように嬉しくないご縁もありますが)本を読むことで自分の世界を広げると同時に、同じ本を読み読後感を共有することで縁を結んでいけると感じました。

ぜひ『ビブリア古書堂の事件手帖』を手に取ってみてください。
きっと新しい本の世界への1歩を踏み出すきっかけになるはずです。

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